イスラムアート紀行

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「STUDIO MUMBAI : PRAXIS」、インドの匠が集結するスタジオ・ムンバイ

*** 記事中の写真、全部見えないようになってしまったみたいですね。。ギャラリーで「写真撮ってもいいですか?」と確認して了承を得ましたし、書籍からの引用も出典を明記したのですが、、ダメなのですね。宣伝してお金を得ているわけでもなく、惚れ込んで惚れ込んで、紹介させて頂いたのですが、、残念です。記念にこのままにしておきます〜!(त_त)!(9月2日記)***

「STUDIO MUMBAI : PRAXIS (スタジオ・ムンバイ プラクシス)」が、TOTOギャラリー・間(東京・乃木坂)にて開催中です。
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インド建築界を代表する建築家、ビジョイ・ジェイン氏率いるスタジオ・ムンバイ。展覧会では、スタジオ・ムンバイで実際に使われている素材、模型、スケッチ、モックアップなどをムンバイから移送。東京という環境のなかで再構築した「Studio Mumbai in Tokyo」を見ることができます。

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(書籍『STUDIO MUMBAI : Praxis』)

感動というより、共振という方が近いかもしれない。このような感覚は久々。ギャラリー内写真OKとのことで、取り憑かれたように撮っていたら、コンデジが熱を持って熱くなりました。本当に好きすぎる、、!まさに熱中!?

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「スタジオの再現」。作業机や椅子から作ってる!たしかに、、作ればいいんだよね。普通の家にあるような電気スタンドがいい感じ。
何気なく置かれた「素材や模型、モックアップ」の存在感、スコーンとして気持ちいい。それでいてアート感に満ちている。用途がわからないものもあって、最高。
スタジオ・ムンバイは「スケッチや大きなモックアップでの検討を何度も繰り返すプロセスそのものがデザインになることが特徴」。
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「作品ごとの写真、映像、ドローイング」。こんなところで時間をすごせたら、どんなにいいだろう、、!ツボを直撃。和とも親和性があるような気がする。

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(作品の例:リーディングルーム)

「インスピレーション」。ジェイン氏はじめスタジオのメンバーがインドを旅して触発されたものや光景を写真や映像で紹介。とっても共感!インド、さすが!生々しくて、タフで、抜けがあり、飄々としている。

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(インスピレーション:「蚊帳の集落=地方の村々に暮らす農夫たちは、夏の間だけ日雇い労働者として都会に出稼ぎにやって来る。夜に現れ朝に消えてしまう蚊帳でできた集落」)

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(インスピレーション:「生地屋=布で埋め尽くされ、商品と空間が一体化している。客寄せにもなり、客も手軽に買物ができる」。← これ、インドで思う。商品そのものをディスプレーにするのが巧みだと思う)


「スタジオの日々の映像」。仕事は生活の糧であり、同時に生涯一歩づつ磨いていくもの、集中して熱中しておこなうもの。鍛錬や工夫がもたらす達成感、職人としての誇りや喜び、一人一人の職人の、その幸福感が伝わってくる。そして多くの職能が集まり、つくり上げて行くプラクシス(実践)そのものの、充足感が伝わってくる。

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(職人さんたちが黙々と作業。コンクリの色板も色から制作。中段左から2番目の石工さん、鉛筆をササッと石で削っていた。大工さんも釘を使わず組み立てる。実物大の模型を作り、そこから考えていくという。下段右は音楽タイム!)

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(書籍『STUDIO MUMBAI : Praxis』より)


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スタジオ・ムンバイの活動の特徴は、敷地の造成から設計、施工といった一連の工程すべてを、建築家と熟練工からなる人的ネットワークにより、手作業で行なうことにあります。
スタジオ・ムンバイのワークショップでは、インド各地出身の有能な職人たち(大工、石工、鉄工、金工、井戸掘り工など)約120名が住み込みで働き、ジェイン氏の指導の下、地勢や気候を読み、井戸を掘って水源を確保し、地元由来の素材とそれに適した工法を用いて建築をつくっています。

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先祖代々口伝によって伝わる伝統技能を受け継いだ職人たちの確かな技術力は、乾期の猛暑と雨期のモンスーンという厳しい気候条件に耐え得る建物には不可欠なものです。
彼らの知恵と技能を充分に活かしつつジェイン氏の深い思索に導かれて生まれた建築は、その地での快適な生活を約束しつつ、風景と調和した豊かな詩情を湛えています。

さらに、ジェイン氏は職人たちにスケッチブックを与え、ドローイングの描き方を教えています。教育を受けられず文字も書けない職工たちが、日々の作業と並行して建築を「設計する」ことを学んでいきます。

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Praxis(プラクシス:実践、自然や社会に対する人間の働きかけ)は、建築をつくりたいという意思をもつすべての人に門戸を開いたオープンなコミュニティの中で、さまざまなアイデアや実践を行きつ戻りつしながら最適なゴールを見出していく、スタジオ・ムンバイの存在と活動そのものをあらわす言葉です。

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スタジオ・ムンバイの仕事がなぜ反復作業によって成り立っているか、なぜ案を検討するために大型モックアップやスケッチや図面を作成し、素材のスタディを重ねるのか。それはすなわち独自の思想を練り上げ、自発的に組織を形成していくためなのだ。


プロジェクトに取り組むあいだは、場所を念入りに検討し、そこにある環境や文化、人びとが身も心も捧げてきたことに目を向けるようにしている。
なぜならそこには、限られた資源を相手に人間が創意工夫を凝らして編み出した建設技術と素材があるからだ。

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スタジオ・ムンバイにはいろんな人たちがいます。建築家もいれば、職人も大工も石工もいる。その彼らが建築を建てる、あるいは作るためにここに集まってきました。(中略)スタジオ・ムンバイではつくりながらアイデアを練るという筋書きを辿ります。あるいは現物を相手にアイデアを組み立てていったり。おおまかにいえば、そんなところです。

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先祖代々大工であった人たちも仲間に引き入れました。彼らはもともとラジャスタンの出身で、大工の伝統の中でその継承者として訓練を受けてきたので、工匠の技術をもっています。この地方には切石技術に長けた石工もいます。業種も出身地も異なる人たちが、ひとところに集まって仕事をするのが、スタジオ・ムンバイです。これが事務所の原点です。そしてもうひとつの特徴は、常に外部からの参加に対して開かれていること。建築について考えよう、建築をつくろうという人なら、誰でもこのスタジオに加われます。

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inspiration インド国内を旅してまわる中で私たちがたびたび遭遇したのは、制約のある環境下で空間を機能させるという必要から生まれた、ある特色をもった空間である。
限られた空間や資源しか利用できない人びとは、生活の必需をすべて満たすために自発的にそうした空間をつくる。
それらは人と人の交流を決して妨げない、慎ましくも自由な空間である。

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(インスピレーション:例:「ポケットマン(Tシャツに地元の正装の印とされる懐のポケットを縫い付けている)」「ボダイジュに寄りかかりながら建つ寺」「サリーでつくった即席シェルター」「木の枝で熊手作り」など。展示スライドを撮ったものも。よくわからない光景も多かったけど、撮らずにいられなかった)

興味のツボや、これまでモヤモヤと思ってきたことと重なり、ホントにガツンときました。本を読んでから、また見に行こう☆

ご興味ある方は、ギャラリー間のサイト、こちらから。(9月22日まで/入場無料)

 2012年8月、東京国立近代美術館(本館)の前庭にスタジオ・ムンバイがデザインする「夏の家」(仮)がオープン。竹製のBird Tree、モックアップテスト中。敷地となる美術館の前庭に設置。プロセスを紹介するというブログはこちら
暑さにめげず、観察に行きますよ〜!!^^
by orientlibrary | 2012-07-15 01:59 | インド/パキスタン