イスラムアート紀行

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食卓の美と技、テーブルウュア・フェスティバル

「テーブルウュア・フェスティバル2012」、東京ドームいっぱいに、世界と日本の陶磁器が食シーンとしてコーディネートされたかたちで紹介される大規模イベントです。

西アジア・中央アジア・南アジアあたりのモノや音楽に親しんでいる日々から出かけていくと、華やかな異次元世界、「セレブ」な感じにドギマギ。こんなに食器重ねなくても、、と思ってしまう貧乏な感性が、美しいコーディネートを見る眼を曇らせます、、、 が、それだけではなく、和の陶磁器、漆などもあり、日本の有名産地の気合いの入った展示を見られるのが楽しい。

気になったものや印象などを(たくさんの中から極々一部、偏り気味な個人的興味にて)ご紹介します。
まず、こちらは「白薩摩」。テーブルコーディネートしてもゴテっとならないところが品ですね。

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沈寿官窯だったと思います。メモしておらず、、。「間」のあるセッティングが素敵)

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(同上。乳白色がやさしい。余白が上品)

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(同上。繊細優雅な絵付け。細い貫入が絵のようできれい)


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(別の工房。豪奢だけどレトロな感じでやさしい。息苦しくない)

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(細密な金襴手。彫りの細工が見事)

そしてガラスケースには、煌めく大皿が!この豪華絢爛さはなに〜〜!?

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(廣田実雪/薩摩金襴手雄飛鷹図四季花紋額皿/ドバイにて展示されたもの)

解説を見ると、、 「この作品は、アラブ首長国連邦ドバイで、外務省、在ドバイ日本総領事館、ホテル・グランドハイアット・ドバイの協力で白薩摩を紹介する文化交流・カクテル・レセプションを主催し、展示した作品です。ドバイと日本を表現する上で、中心に鷹を描き、日本と同じ「鷹狩り」もアラブの伝統である等、両国のものを取り入れ構図として描き、白薩摩金襴手の技法で多彩な構図、色彩と金盛を使った豪華で気品ある作品です」とのことです。

アラブの方々の好みに合わせているのですね。この大皿、細密さが素晴しく、さらに勢いや伸びやかさを感じました。上の白薩摩も同様ですが、豪華だけでなく、気品があるところ、愛らしいところが好きです!

会場、広いです。日本の各産地(美濃/瀬戸/多治見/有田/常滑/波佐見を中心に多数)コーナー、作家の展示、世界各地の陶器や工芸、アンティーク、見きれない。

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(美濃焼・土岐。丼が人気。普段使いできる食器がたくさんあり、楽しい)

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(瀬戸。黄瀬戸を前面に出しての展示でした。黄瀬戸、好きです。織部の多彩さはさすが瀬戸)

このフェスティバルでは「テーブルウエア大賞」として、プロとアマチュアがコーディネートの技を競います。その成果、テーマ設定から食器選定、細部まで練られたアイデア、センス、素敵です。

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(「テーブル・コーディネート」のイメージとして。メーカーの展示)

が、このような機会によく思うのですが、、個人的には画一的に見えて仕方ありません。自分の知らない世界のものって、違いがわからず、同じに見えてしまいます。そういうことだと思うのですが、細部にこだわればこだわるほど、総体として見ると同じに見えてしまう。

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(同。こちらもメーカーの展示)

他にないのかな、というのが、いつも思う疑問です。素敵なコーディネート(知識とセンスが伝わります!これは本当)の数々は、他のメディアやブログでたくさん紹介されているでしょうから、このマイナーブログではナシということで!

そのなかで、少〜し違いを感じたコーディネート。

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(卓越した何かを感じました。たしか何かの賞を取っていた作品の一部)

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(テーブルではなく、床での和の提案。左右対称でない作品を見て少しホッとしました。和のコーディネートって、真ん中に川が流れているものが多いですね。平安貴族テイストかな。実も蓋もないことを言いますが、、現実はここに「座れない」人が多そう。シニアは膝が痛い。若者は正座が辛い、、)

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(これも和のシーン。ロースタイル、座もいいと思いますけどね〜、、いちばんいいと思うのは「腰掛け程度のちょっと座」なんですけど、、)

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(西洋食器は「揃い」で「左右対称」。「食器重ね」で重厚感。ガッツリで息苦しく感じる。こってりした食べ物が合いそうです。アジアや日本のものは「抜け」があり落ち着く。揃いでも模様違いなど、遊びやゆとりを感じます。デザインの余白も落ち着きます。長いときの重なりがもたらす洗練を感じます)

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(ガッツリ豪奢展示のなかでは、アーモンド、干しイチジクにさえホッと。せめてもの中東的な匂い、、こういうものが皿に乗るようになっただけでも、少しは変化なのかも、、エアープランツはちょっと違うと思うけどな〜、、)

中東などで壁際のクッションで談笑し、床に並べられた美味しいものを和やかにつまむ、そういうのもいいと思うけどなあ。モロッコのテーブルなんて、すごくお洒落だと思うし。天幕の中だってカッコいい。もうちょっと、そういうテイストが紹介されればいいのになあ。マーケットサイズが小さくて、こういう場では無理なのかな。好きな人、少なくないと思うのですが。。

日本は、何気ない町中の食べ物屋さんでも、料理や季節と合わせたたくさんの器でもてなしてくれる。季節と料理とおもてなしの心が、セッティングを自然にしてくれるのかな。
などなど、いろいろ感じた見応えのあるフェスティバルでした。

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(多治見コーナーで購入したカップ類。色合いが穏やか。インドのブロックプリントと)
by orientlibrary | 2012-02-14 18:54 | 日本のタイル、やきもの