イスラムアート紀行

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二羽の鳥がいるタイル、陶器、布

今回の写真は、「鳥」をモチーフとしたもの、とくに「双鳥」のものを集めてみました。その理由は、途中で「鳥」に関する記載が出てくるからです。その元々の理由は、、風邪。(>v<)

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(トルコ・イズニックに工房を持つアディル・ジャン・ギュヴェンさんのタイル。素晴しい。このタイルの深み、絵画的世界は何とも言えません。モスクの蝋燭立て、二羽の鳥、キャンドルには蛇がからみつき、トルコの花々が咲き乱れる。青一色の豊穣なる世界。鳥は天国を、蛇は健康を表すとのこと。蛇が良きものである点、東方的な感じがします/「青の魅惑 イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」展示作品より)

「風邪はひき始めの二日間が大事」、まさにそれを実感した週末でした。土曜日午後から日曜いっぱいの引きこもり生活。とにかく暖かくして、ひたすら休む。おかげでこじらせず、ほぼ回復。よかった〜。。

よかった、、よね、たしかに。でも、土曜日曜、楽しみにしていたイベントや訪問、すべて行けず(哀)。すごく残念。本来ならば、イベントや会った人たちの話で、今日のブログは情報モリモリ満載のはずでしたが、、何もなし!!(涙)

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(ウズベキスタンの陶芸家アリシェル・ナジロフさんの鳥皿、部分アップ/「青の魅惑」出展作品)

唯一、読めた本が「ユーラシアの神秘思想」(岡田明憲著)。何年も前に買った本、ようやく開いてみると、、風邪の夢うつつの気分に合ったというか、興味深く読めました。

私自身は神秘思想に惹かれるタイプではないのですが、著者岡田明憲さんのこの分野への「入り込み方」、いいなあ。好きで好きで、知りたくて追求したくて、という熱が伝わってきます。情報や商品が渦巻くような日々ですが、年のせいでしょうか、熱のあるモノ、コト、にしか食指が動かないこのごろです。

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(多彩釉画像タイル/イラン北西部/鉄器時代 前8〜7世紀/「ズイヴィエ偉宝」の発見で名高いウルミア湖周辺で出土したと推測される。本来、神殿または王宮の壁面を飾っていた建築材で、世界的にも稀少な作品。表面に描かれた超自然的な図像からは、当時のイラン北西部の宗教的観念の一端が垣間みられる/東博で撮影、解説を引用)

「占いの世界」という章もあります。来年の占いとか、少し気になる時期でもありますよね。

・占いは神秘思想への通路、あるいは神秘思想の応用とも言える
・神託から夢占い〜東西につながる占いの源流に、古代ペルシアのマギ(東方の博士たち〜占星術や夢占いの達人)がいた
・マギは占いに長じていただけでなく、ローマ世界にミトラの密議を伝えたのも彼らである
・このミトラの宗教は弥勒信仰として東にも伝搬する
・マギの占星術が独特の発達をして、そこにカルマの理論を導入して完成された、本場インドの占星術を見てみる
・この本では、占いを通して、日本から中国、インド、イスラム世界、さらにはギリシア・ローマに到るまで、まさにユーラシア的規模でおこなわれた、神秘思想の交流を跡づけていく

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(タシケントの博物館で撮影。建築装飾に用いられた「鳥女」だそうです。ブハラにて出土、6〜7世紀/fragments of architectual decoration image of bird woman,6-7century. varahsha,bukhara region)

ギリシアの神託は、巫女が語るのが普通でしたが、の鳴声や樹の葉のそよぐ音を解釈する仕方もあったそうです。
ローマでも鳥占いが神意をうかがうもの。鳥ト官は最高位の祭司で国政に助言する役割。鳥の飛び方、餌の食べ方で占う鳥占いが、公的なものと認められていたそうです。(餌の食べ方って、、そんなんで大丈夫!?)

その後、占いは中国の陰陽五行、イスラムの夢占い、密教占星術、インドの星学等々、体系づけられて高度に発達。
そして現在の占いブーム。皆さん、占いって信じてますか?
私はオカルトが苦手。何でも占いで語られるのも苦手。でも星座占いを真剣に読むときも。ポジティブな部分を、ちょっとした指針にしてる自分がいます。こうした方がいいと言って欲しいのかなあ。

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(トルコ・イズニックの博物館にて撮影。陶片。鳥と花がいいですね〜)

「ユーラシアの神秘思想」、眼目は「アジアとヨーロッパを合わせたものとしてユーラシアがあるのではなく、アジアとヨーロッパの基盤として、両者の文化が分かれる以前に、ユーラシアが存在していたという事実」という視角です。「人類の原思想」というべきひとつの起源、それを様々な角度から語り起こしている本なのでした。

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(九谷絵付け皿。東博にて撮影。日本の鳥は非対称で余白が効果的。色もスッキリと洗練されていますね)

まだちょっと熱っぽいこともあり、スキッとまとまらない内容で失礼しました。写真を楽しんでくだされば幸いです☆ そして風邪には気をつけてくださいね〜!

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(バングラデシュのカンタ刺繍部分。鳥がかわいい。使い古したサリーなどを再利用して数枚を合わせ刺子のように刺繍を施すもの。アーティストとかではない一般の女性たちが刺したもの。刺繍の細密さだけでなく、デザインや色合いが素晴しいものが多いです)

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(イラク南部の湿原に暮らしていた先住民族「マーシュアラブ」(湿原のアラブ人)の刺繍布部分。カラフルな色の組み合わせ、のびのびとした自由な構図で、鳥や魚、花などを刺繍で表します)

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(東欧の刺繍布。詳細はわかりませんが、ギャラリーで拝見して全体の雰囲気のかわいさに写真を撮らせていただきました)

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(ウズベキスタン・ブハラ、ナディール・ディヴァンベギ・マドラサ。二羽の鳥のモザイクタイル装飾。中央アジアの青のタイル、紺碧の空に映えます。鳥が太陽に向かって飛んでいく構図がスッと馴染む気がします)
by orientlibrary | 2011-12-12 23:46 | 中央ユーラシア暮らしと工芸