イスラムアート紀行

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タイルやスーフィーの本/イスラムの凝縮力/青の魅惑

トルコ・イスタンブールにて。「ルキエ」さんに、バザールの奥まったところにある本屋さんに連れて行っていただきました。現地の本屋さん、やはりネットでも買えないものがあります。

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今回はこれ(写真上右)。『TILES -TREASURES OF ANATOLIAN SOIL- 〜 TILES OF THE SELJUK AND BEYLIK PERIODS 〜』。セルジュークのタイル。草創期の青いモザイクタイルの壁面、濃いトルコブルーに黒で文様を描いた陶器、、最高です☆ うっとり。

こちら(上左)もそのときに購入。『CERAMICS FROM ISLAMIC LANDS 〜KUWAIT NATIONAL MUSEUM〜 - THE AL-SAVAH COLLECTION -』 。イスラム陶器の歴史や地域の個性を概観できそうな本。ハードカバーではないけれど500ページを超える立派な本で豊富な図版がうれしい☆ これはAmazonの方が安かった。円高なんですね〜。

そして、♪♪♪『COLOR IN ISLAMIC ART AND CULTURE 〜AND DIVERSE ARE THEIR HUES〜』♪♪♪(下)は ネットで買いました。表紙写真、グルエミル(サマルカンド)のタイルをAmazonで見て、即購入決定です☆ 色を切り口にしているのが、今の関心にぴったり。うれしい!タイルや陶器だけでなく、細密画や絨毯の色など、多彩に言及(しているみたいです。買ったばっかり)。

いずれも素晴しい本。すべて片手では持てないくらいに、ずっしりと重い。円高のおかげなのか、1万円を超えることなく購入できるのがありがたいです。
このボリュームで英語ということもあり、たぶん全部読むことはないかも。でも折々に写真を見たり、気になるところを読んだりしているだけで充分満足。うれしいな。

↓ 下の写真。数ヶ月前に買って、最近やっと開いてみた(まだ読んでいません)のが、パキスタンの芸能音楽に詳しいMさん推薦の3冊。

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『スーフィー イスラームの神秘主義者たち』(写真もいいです。読みやすそうなレイアウト)/『4億の少数派 南アジアのイスラーム』(ムスリム人口多いです。インド・パキスタンのイスラム建築も興味大)/『聖なる学問、俗なる人生 中世のイスラーム学者』(タイトルがいいですね!)。

『TOKYO  0円ハウス 0円生活』(ホームレスは理想の家を持っている!?のコピー)。先日、『ダンボールハウス』の著者、長嶋千聡さんのお話を聞いて、とてもおもしろかったので、工夫満載の「家」に興味がわいてきました。もともと天幕が大好きだし。でも、こちらの方が、より”定住型”です。

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こうして、タイルや陶器の本、スーフィー関係の本を見つけて喜んでいるのですが、結果的にイスラーム関係の本が増えていくことになります。

といっても、イスラム教徒ではない私。教義も興味深いし、共感する点も少なくないですが、教徒になろうと考えたことはないです。何が好きって、やはりイスラム文化の「五感」に関わる部分なんですよね〜。

圧倒的な凝縮力と無限の広がりの予感、緻密と鮮烈、集中と余韻、端正でありながら強烈な熱のある手仕事、青の多用とその組み合わせの多彩、陶酔の音律と音階、朗唱、底流に流れる「意志」、そこへの共鳴性。そういうものに惹かれます。

メッカという一つの方向に向かって、世界中のイスラム教徒が祈っている、あの概念。あの集中と凝縮。完璧な拡散型の自分の感性とは違うのですが、逆なものに惹かれるのかな。

アブダビの空港で見たポスター。花びらかと思ったら、飛行機が中心に向かっている。中心の言葉は読めませんが、言葉が立ちますよね。この構図、意外と単純かもしれないけど、発想できない。

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(アブダビの空港で見たポスター)

もちろん装飾タイルや建築装飾には、中心に凝縮しながら同時に無限の広がりを感じさせる、たくさんの例があります。

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(サマルカンド、ティッラカッリマドラサ〜たぶん)

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(サマルカンド、ウルグベクマドラサ〜たぶん)

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(これもサマルカンドかな。幾何学模様が発達したイスラム装飾。透しがきれいです)

そう思うと、日本の「余白」「間」、これも別の意味で、成熟した、素晴しい美意識だと思います。
日本人は芸術家ではなくても、余白によるバランスが自然にとれます。すごいことですよね。

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(東博にて撮影。説明を引用:黄瀬戸草花文平鉢/美濃/安土桃山〜江戸時代、16〜17世紀/俗に油揚手、菖蒲手と呼ばれる黄瀬戸の典型作。中国龍泉窯青磁に従ったつば縁の平皿に、見込に草花文を釘彫し、失透する灰釉をかけ、銅で斑文を施し、ほのかな色の対比がまさに和様の雅びとなっている)

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最近、恒例のシリーズ!
西アジア、中央アジアの現代のやきものを特集展示している「青の魅惑 イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」展示作品(〜出展作家作品)より、何点か、ご紹介。(「青の魅惑」は、常滑市の「世界のタイル博物館」にて開催中/2012年3月20日まで)。

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(トルコ・イズニックに工房を持つアディル・ジャン・ギュヴェンさんの作品/アナトリアの技法を再現しているギュヴェンさん制作のスリップウエアです)

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(トルコ・キュタヘヤで制作を続けるメフメット・コチェルさんの絵付け、部分。ウサギでしょうか、躍動感が魅力的。花もイキイキとしています。線の運びがきれい!)

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(ウズベキスタン・リシタンの陶芸家、アリシェル・ナジロフさんの絵付け。自由でのびのびとした絵柄はお人柄だなあと思います)

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(ウズベキスタン・リシタンのウスマノフ工房の作品、アップです。こちらはアップで見たくなります。濃い青に引き込まれます)

秋の夜長の読書、は全然できなかったけど、冬は少し本を読もうかな。やるべきことをこなしきれない毎日(情けない、、)だけど、久々に本で旅したくなってきました。
by orientlibrary | 2011-12-06 00:33 | 青の道