イスラムアート紀行

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幾何学模様も花模様も ティムール期のタイル

● 「シャーヒズインダ」は、ティムールのファミリーの墓や廟が集まった墓地。ティムールが権力を掌握した1370年頃から建設され始めた。花模様や幾何学模様、ペルシャテイストとアラブテイスト、モザイクタイル、施釉彫文タイルなど、多彩なタイル装飾で目も眩むばかり。タイル装飾の博物館のようなところであり、陶芸術のひとつの到達点とも言われている。


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(SAMARKAND SHAH-E ZINDA NECROPOLIS : MAUSOLEUM OF USTAD ALI NAZAFI /1385)

●写真(↑)は、ウスタッド(職人のマスター)アリ・ナザフィが作った廟のファサードのタイル装飾。埋葬されている人は不明であり、書籍等には「アリ・ナズフィの(が作った)廟」の名で紹介されている。八角形の星の中にクーフィー体でクルアーンの章句やイマームの名を記す。

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●写真(↑)は、同じく「アリ・ナズフィの(が作った)廟」の多色の陶版。花のモチーフに黄色や赤を採用し、華やかな印象。西アジアは、燃料となる木が少なく高い温度で焼ける粘土も少なかった。黄色はそのような地域でも可能な低い温度で溶ける釉薬で出すことができる色だった。(自分の写真を発見したので載せ替えしました)

●高温焼成が可能な地質環境から生まれる東アジアの白磁や青磁は洗練された美。西アジアの人々が憧れたエキゾチックな単色釉の陶の世界。しかし、気候風土の個性が生んだ青や多彩色も、青磁や白磁とはまた違う陶の美しさや魅力を満々とたたえているように見える。
by orientlibrary | 2005-10-31 00:28 | ウズベキスタンのタイルと陶芸