イスラムアート紀行

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魂のタンブール/青の実験/蚊帳の美

9月になりました。今年も暑い夏でしたね。ウズから戻った後のことなど、話題はいろいろに飛びますが書いてみたいと思います。

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クルド系イラン人音楽家一家「ラアナーイー・ファミリー」のライブを聴くことができました。

<ラアナーイー・ファミリーについて 主催者解説より>
イラン・クルド族の住むケルマンシャー州サハネ市は、古代よりタンブールという楽器が宗教的な場において用いられてきた代表的地域の一つです。タンブールは、その原型が約6000年前の壁画にも描かれ、すべての撥弦楽器の先祖とも言われています。古くより聖なる楽器と考えられてきたタンブールの音色と調べは、音楽と精神の結びつきが知られていた古代より現代まで、人々の尊重と共に伝えられてきました。

同市には家族全員がそのタンブールを奏でるクルド族のラアナーイーというファミリーがいます。彼らはクルドの音楽のみでなく、ペルシア古典音楽にも造詣が深く、ケルマンシャー地方の大自然に育くまれるとともに、首都テヘランでも活動を続けてきました。彼らの奏でるタンブールの調べは、素人から音楽の巨匠まで、イラン国内外を問わず、聴く人に深い感動を与えることで知られています。
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なんて繊細、なんてスピリチュアル!同時に人間らしく、かつ自然を感じさせる。宇宙そのもののような音楽。タンブールと歌唱に圧倒されながら浸りました。さらに驚愕なのは一家の息の合い方。何代も長い長い時間をかけて引き継がれてきた音楽が、もう家族の身体と精神になっているようであり、荘厳とも言える空気がありました。

ただ、あのような音楽を味わう場としては相当に不向きな会場であったことが残念です。しっかりと聴きたかった。次の来日がありますように。

会場で写真は撮れませんので、ライブ後の一枚を。

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(下北沢「永利」のちびラム。めくるめくスパイスの香り、、)

肉類が苦手な私、ラムと聞いて引いていましたが、一口サイズ爪楊枝付きのかわいい形状とスパイシーな匂いにひとつ食べてみたところ、、うまい〜!何これ?!テイクアウトもできるようなので、「エスニック系宴会用お持たせ」は、これからコレだな〜。

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このブログでは、これまで中央アジアや西アジアの青の陶器やタイルを何度も何度もご紹介してきました。
でも、どうしてタイルは青が多いの?青の陶器は世界的に多いの?
そもそも、どうして青なの? 
、、そう考えられたことはありませんか?
私も青のタイルの世界にハマって以来、何度も思いました。
タイルや陶器の青って、何かの象徴?何かの意味があるの?それともシンプルに、青を発色する材料が豊富だったから?
世界最古のタイルと言われるエジプトのファイアンスタイルはターコイズブルー。トルコ石のような色合いのタイルがピラミッドの地下壁面を飾っていました。

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(「世界のタイル博物館」ホームページより引用/エジプト古王国時代の第3王朝期のネチェルケト・ジェセル王の「階段ピラミッド」の地下にあったもの。BC2650年頃のものといわれています)

青い陶器やタイルと「空」「水」は関連があるのでしょうか。
そもそも水はどうして青いの?空はどうして青いの?ということで、こんな実験が。

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(一定の長さを通過してくると水が青く見える。種も仕掛けもない普通の水です)

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(水のゆらぎ。いろんな模様ができて、見ていて飽きません。癒し〜、、)

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(空が青く見える実験。この場合は、夕焼けの赤の方が強く見えていますが、、)

これがどういうことになるか、晩秋頃にご紹介したいと思います☆

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日本の美です。蚊帳。夏、虫を防ぐため室内に吊るして使うもの。虫は通さず風は通す必要があるため、古来、麻が主に用いられてきました。けれども、化学繊維の蚊帳に代わった後、網戸や空調設備により次第に姿を消していきました。

その蚊帳の美に注目した展示が東京神田であり、拝見してきました。

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(藍色の蚊帳。内部は安心できる空間、かつ藍色につつまれて心は安らか)

生活の道具、防虫などの用途のために織られたもの。でも、なんて美しく、センスがいいんだろう!色合い、透け感、シャリ感、蚊帳っていうか、もう反物。

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(色合い、縞が素敵です!)

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(透け感、ゆったりした気持ちに。光がやさしい)

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(これは場所を変えての飲み会で見せて頂いた他の方のコレクション。木綿の蚊帳。冬に防寒として木綿の蚊帳を吊ったそうです。糸が織りなすストライプが魅力的!)

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(クタクタした触感がたまらない。ショールにしたいような蚊帳)

蚊帳の涼しげな美しさに惹かれました。新しい出会い、発見、モノの奥行き、好きな人同士の濃い語り合い、こういうのって最高の贅沢だと思います!これからも、そういう機会や場に出会っていけますように。
by orientlibrary | 2011-09-01 17:27 | 日本のいいもの・光景