イスラムアート紀行

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ラスター彩、青のタイル、紅茶&前菜

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(ラスター彩陶壁/「オリエント幻想」/七代・加藤幸兵衛 作/イラン大使館ファルドーシホール壁面)

静かな週末です。例年ならば春休み、卒入学・新生活等で街がもっとも賑わい、年によっては桜も見頃となり格好の花見週末でもある頃。今年は桜も待機中という感じです。静かな緊張感。
お店も電車も街も照明を落としていて、省エネを考えると元々このくらいでよかったんだろうなあ、落ち着く感じもあるし、と思いつつ、これまで煌煌としていただけに、まだ気持ちがついていかない部分もあります。でも、これは慣れるでしょう。

新聞やテレビ、ラジオは毎日、被災者の方の声をたくさん掲載、紹介しています。「海を見るのも怖い」「夜の寒さがこたえる」「戦争よりもひどい状態だ」。せめてこの寒さなんとかならないものかと天気予報にがっかりし、原発事故とその後の動きには複雑な思いを抱えています。「先は見えないけどみんなで助け合っていきたい」という声や子どもたちの笑顔に、こちらが励ましてもらっています。大震災については、メディアは現場から等身大の目線でしっかり報道してくれているように感じています。

海外の支援の動きもありがたい。facebookにも支援のコミュニティがたくさん生まれ、立ち上げた皆さんはオークションや募金に不眠不休の様子です。その迅速さに驚くと同時に、チャリティや助け合いの精神が根づいている土壌に、背景にある宗教的な価値観を垣間みます。パキスタンの方々の炊き出しの記事などを「ありがとう」に。(こちらのブログとの重複も)。

種々の事柄が中止、延期となっていることもあり、静かな日々ですが、見たもの、きれいなものなど、少し書いてみたいと思います。

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(ラスター彩陶壁/七代・加藤幸兵衛/部分)

イラン大使館ホールに飾られたラスター彩、日本の美的感性とシルクロードの趣きが重なり合い、渋い輝きに見入ります。作者の「七代・加藤幸兵衛」さんについて調べてみると、加藤卓男さんを継いだ方なのですね。以下、幸兵衛窯HPより抜粋させて頂きます。

「幸兵衛窯は、1804年、美濃国市之倉郷にて開窯。江戸城本丸、西御丸へ染付食器を納める御用窯だった。五代幸兵衛は、青磁、金襴手、染付、赤絵、天目など中国陶磁をはじめ、乾山、李朝など幅広い技法を駆使した名品の数々を生み出し、幸兵衛窯の礎を築き上げた。六代加藤卓男は、長年の研究の末、ペルシア陶器や正倉院三彩の技法を復元し、ラスター彩、青釉、三彩、ペルシア色絵など伝統と独創の融合した作品を制作した。現当主である七代加藤幸兵衛は、独自の現代的な作風をはじめ、桃山陶やペルシア陶器といった幅広い作風を展開し活躍。近年は、加藤卓男のペルシア陶技を継承した作品を制作」

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(陶板は十字と八角星の組み合わせ。一見してはわからないのですが、イスラム陶器らしさ、ペルシアの空気を醸し出しています。きりりとした陶の線が見事)

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(玉虫色の光沢。宝石のような、いや宝石よりもむしろ奥深い輝きでは、とタイル好きは思ってしまいます)

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ボーッとしてテレビを見ていたとき、青いタイルが目に入りました。すぐにテレビ画面をカメラで撮りました。

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(聖カトリーナ修道院礼拝堂内部/シナイ半島)

正教会にこんなにきれいなタイルが、、こちらも不勉強で知りませんでしたが、聖カトリーナ修道院は正教会の世界最古の修道院なんですね。以下、wikipediaより部分的に抜粋しました。

「エジプト、シナイ山の麓にある峡谷の河口、シナイ半島に位置する正教会の修道院の名称。修道院は現在も継続して機能する、正教会の世界最古の修道院である。ユネスコの世界遺産に登録されている。現地はユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教の3大宗教から、神聖視されている。800年ごろ、エジプトはムスリムの国であった。修道院が所有し、ムハンマド本人により署名されたものとされる文書によると、修道院がある種の政治的亡命施設として容認されるようになった後、ムハンマドは敵から身を守るため修道院に身を隠したとされる。こうした理由と修道院領内にファーティマ朝のモスクが立てられた為、修道院は長年に渡る一帯のイスラム教支配下でも生き延びることができたのである。このモスクは正しくメッカの方角を向いていないため、現在では使用されていない」

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(20センチくらいはありそうな方形の絵付けタイル。藍青がきれい。正教会のデザインともよく合っています)

正教会の空間やビジュアルは、惹かれるものがあります。東の気配があるからでしょうか。タイルもよく合っていると思います。

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(さぶ先生の急須。注ぎ口が長く持ち手にもなります。イランの紅茶がおいしいです)

タイルのクラスは十字と八角星の成形をして絵柄を考えているところ。時々陶芸も習っていて、先日はインドのブロックプリントのハンコの型押しで「アジア丼」を作りました。

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(イラン紅茶のパッケージ絵柄。青が印象的。鹿とティーポットとリーフを合わせたような感じが。ぼわーっとした背景の輪がイランだなあと思います)

こちら↓は、イエメンに留学予定の(だった、になってしまうのかな)Iさんを送る会にて。トルコ居住経験のあるIさんなので、フレンチのシェフがトルコ料理にチャレンジしてくださったそうです。

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(トルコ料理の前菜とパン)

主菜、デザートまで、とても美味しかったです。イエメンも渡航がきびしい状態になっているようです。今行けなくても、ご縁があればまた行けるよ!いつかアラビア語、教えてね。

落ち着いて、しっかりとしていきたいなと思います。
皆様も、どうぞお大切になさってください。
by orientlibrary | 2011-03-27 18:55 | 日本のタイル、やきもの