イスラムアート紀行

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遊牧民からまなぶ羊毛文化:糸紡ぎ体験(spinning workshop)

緑の草原、青い空、部族の天幕、その前で立ちながらスピンドルを繰る遊牧民の女性の姿、カッコいい。憧れです。手仕事できない私ですが、手紡ぎには興味があります。
そんな手紡ぎ、しかも本家本元の遊牧民の知恵の結晶である「羊毛文化」を学ぼうという趣旨のワークショップがありました。

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(イランのバクティアリー族の移動光景を描いたドキュメンタリー映像「grass」より。青々とした豊富な草を求め山や川を超え300キロも移動。こんな過酷な旅をともに乗り越える羊たち、毛も違ってくるはず。部族の手織り絨緞の味わいやツヤ、丈夫さは格別)

講師は羊大好きな羊毛文化研究家の駒木根智紘さん(ひつじ日和主宰)。羊に関する濃い〜お話や写真に会場からは「かわいい〜〜」の声。羊や織りや紡ぎが大好きな参加者の熱気で、会場はホントにひつじ日和です!
ワークショップも楽しかったです。まずは羊の毛刈り紹介から。

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(この写真は私が以前参加した羊の毛刈りの写真。羊って生身はスリムです)

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(会場にて。以下同様。これが「フリース」=羊一頭から刈り取られたひとつながりの羊毛)

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(羊毛は水洗いした後「カーディング」=繊維方向が整った綿状の塊にする)

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(ドラム式の道具を使ってのカーディング)

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(糸車を使っての糸紡ぎ。伸ばしながら撚りをかけていきます)

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(これが憧れの「ハンドスピンドル」=こまの回転力を利用して繊維をねじって撚り合わせ糸にする。長い木の棒の先端に回転力を強めるおもりなどがついている。このような羊毛糸を使い何か月もかけて織られるキリムやラグには中央ユーラシアの風土や遊牧民の女性たちの思いがつまっています)

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(wikipediaより借りました。こちらはペルーだそうです)

そこに真白な毛を手にした女性が。

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(ビニール袋の中身はハスキーミックスの毛。毛の長さは短め。これで糸になるのでしょうか??)

飼っている犬の毛から糸ができるかとの相談。駒木根さん、「羊毛と混ぜれば大丈夫」。どのような糸になり、糸から何ができるか楽しみです。

そこにまたまた毛を持参の女性が。

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(オールドイングリッシュシープドッグだそうです。名前からして糸は可能そうな感じが、、)

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(手紡ぎでもサラサラと撚れていきます。「これはいいですね〜」と先生)

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(すご〜い!犬の毛からこんなに味わいのある糸が完成しました!!何か小物になるのでしょうか)

ワンちゃんの毛から糸紡ぎとは意外な展開になりましたが、犬好きの方が多い昨今、うちのコの毛から糸を作って何かを作りたい!という人、少なくないのでは。これから流行るかもしれませんね!?

イスラムタイルや陶器と同時に、テキスタイルや天幕が好き。とくに私の好きな中央ユーラシアは遊牧民の文化が基層にあるところが多く、遊牧民の暮らしには強い興味があります。これからも見ていきたいな、と思っています。

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(羊毛文化展示光景一部/右下にある青い皿はリシタンのもの/絨緞=トルクメン族エルサリ支族:祈祷用絨緞(ジョイナマーズ):パイル、羊毛:1930年〜:kanno コレクション)
by orientlibrary | 2011-02-05 22:48 | 中央ユーラシア暮らしと工芸