イスラムアート紀行

orientlib.exblog.jp

リシタンの青の陶器とともに

イスラム圏のタイルを好きになってかなりの月日がたちましたが、タイルの絵付けや釉薬について実際に習い始めたという点で、今年は新しいスタートの年だったのかもしれません。

e0063212_2123590.jpg


夏には、ウズベキスタンの陶芸産地リシタンで、職人さんたちの中に入れてもらい、作業を見たり、作品のスケッチなども。本当にいい経験、楽しい時間でした。

秋に、リシタンの若い陶芸職人ディヨル君が日本のテレビ番組の主役となり、放映されたのも、うれしいことでした。

今年最後の更新は、リシタン陶器の写真(この夏入手したもの)とともに、ウズベキスタン陶芸についての論文要旨をご紹介したいと思います。

e0063212_2331887.jpg

 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「中央アジア美術の至宝(陶芸)」(アクバル・ハキモフ ウズベキスタン芸術研究所所長/『偉大なるシルクロードの遺産』展カタログより)

<ティムール時代の陶磁器>
・ 13世紀初頭のモンゴル軍の襲来は中央アジアのオアシス都市を荒廃させ厳しい経済危機が押し寄せた
・ 14-15世紀のティムール時代には再度創作活動を始めた。それは都市建設、建築、芸術、文芸、工芸が勃興した時代として特筆される

・ ティムールの宮殿の肖像画は写本を豪華に装飾したロマン派の細密画に近似していた
・ また精巧な織物、豪華な刺繍、鋳造容器、武器、宝石などの手工芸も繁栄した

・ 陶器制作では、白地にコバルト絵具を用いて自由奔放な絵を染付けた極東の陶磁器の影響を受けて、まったく新しいスタイルが形成された
・ 中央アジアの職人により制作された陶器はカシナと呼ばれる土着の陶土を素材として、ブハラ、シャフリサブス、ウルゲンチなどで制作されたが、その中心はサマルカンドだった
・ 施釉陶器を制作した職人はティムール朝期の建築物に広く用いられた建築用装飾タイルの制作にも携わっていた

e0063212_21243695.jpg



・ 14〜15世紀の工芸美術の発展は、現地の職人の伝統と中東全域の職人の技に負うところが大きかった
・ この時期の装飾文様は絶妙の域に達していた

e0063212_21291882.jpg


・ 陶器では多彩陶が残り続けるとともに、青地もしくは白地の器面に黒色で画を描く、色調を押さえた単彩画も用いられた

・ 植物文と文字文を持つすべての模様構成は、驚くほど見事に、器形とその分割に従っている。器面にめぐらされた幾何文、緑、縞模様は、バランスを保ちながら連続した動きを見せている

e0063212_21245982.jpg


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

来年はうさぎ年。こんな写真をシェアして頂きました。このオレンジのもの、何だかわかりますか?

e0063212_2122181.jpg
(写真:Masahiro.Uさん)

正解は、「柿」。柿もちゃんと干支を知って実るんですね!

今年も、「イスラムアート紀行」にご訪問いただき、本当にありがとうございました。
見てくださる皆さんや温かいコメントのおかげで、当ブログもゆるゆるとした更新ではありますが、5年以上続けることができました。ありがたいことです。感謝しています!!!

皆様にとって2011年が素晴らしき年となりますように、心よりお祈りしております。
by orientlibrary | 2010-12-26 21:35 | ウズベキスタンのタイルと陶芸