イスラムアート紀行

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釉薬の青。空と海と湖と

「青の道」へ。今日は「タイル絵付け教室」を「釉薬教室」に変更してもらっての初日でした。
cuとかmgという記号を見たのは何十年ぶりという感じ。まずは基本の基本を学習。次回は青の釉薬作りにトライします。

十字タイルと多角星タイルが現在途中で止まっているので、そこに青の釉薬を使ってみようかという流れに。超ビギナーの好きなようにさせてもらって、本当に感謝です。

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(中央アジアの空の青/トゥルケスタンにある「アフマド・ヤサヴィー廟」。初期建造は1374年。ティムール朝初期の建造物として名高く、現在中央アジアに残っている歴史建造物の中で最大級。青の施釉レンガと無釉レンガの組み合わせが美しい)

今日はその後、「サハラの砂でガラス作品を作っている」というガラス作家・村山耕二さんの展覧会に行ってきました。
カメラを忘れてしまったので残念ながら写真はないのですが、村山さんのホームページに作品の写真がありました。ご興味のあるかたはぜひ。
オレンジ色の砂が、なんともやさしい藻のような色合いに変身するのが不思議。かたちもボリュームと安定感があり、好みでした。

サハラの砂の入手で関係が深いというモロッコの写真、とくにモロッコの陶芸工房でのタイル制作や窯炊きの写真を見せてもらったのが、とても参考になりありがたかった。
「砂族」と「土族」で、オタクな会話を楽しませて頂きました。

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(キルギスの空の青と緑。キルギスは風光明媚で、人々の顔立ちは日本人にとてもよく似ている)

釉薬、青については、まだまだなので、今回はこれまで文献等から抜き書きしてまとめていたものをそのままアップするという手抜きなのですが、中央アジアと日本の青の写真を選んでみました。

空の青、水の青、ちょっとニュアンスが違いますよね。
*色ってカメラや撮り方次第だと思いますが、すべて素人がオートで撮った写真ですので実際を反映しているとはいえないと思います。ご了解を。
*出所となった文献名がわからなくなってしまいました。部分の抜き書き、要旨です。著者の方、出所を記載できずすいません。

<釉薬の歴史>
・アッシリアの土器にガラス質の釉薬を用いた例は前1300年に見られる
・バビロニア緑釉薬の秘伝を記した楔形文書、当時すでに基本的な釉薬成分があった
・それに銅・鉛・硝石・石灰を混ぜ合わせて緑釉原料とした
・アッシリアは錫釉系。前12世紀すでに彩釉レンガ。色が混じり合うことなく釉薬の効果を発揮していた

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(中央アジアの空と湖の青/キルギス、イシククル湖)

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(日本の空の青、湖の青/富士山と河口湖)

<青色アルカリ釉>
・青色アルカリ釉はメソポタミアからインダスにまで広まった
・鉛釉はバビロンで発明された
・前1700年頃の文書によるとバビロニアやアッシリアには高度に発達した釉薬の知識があった
・ここで初めて石英フリットにではなく粘土に施される釉薬が考案された
・新アッシリア時代のニルムードでは施釉レンガが建築に用いられた
・酸化錫が不透明白色の発色剤として用いられた
・ネプカドネザル王時代の都であった新バビロンの建築物のなかで最も美しいイシュタル女神に捧げられた壮大な城門はニルムードのものに類似した施釉レンガで全面が覆われていた

<飾り釘>
・彩釉レンガによる壁画や装飾は高度に完成したアッシリアスタイルの門建築において半円柱飾りを施したものと並ぶ重要な要素だった
・壁本体はあくまで日干しレンガ積み、王宮の室内壁はプラスター絵画
・建築装飾として彩釉陶製品が利用された例はアッシリアの「ジガティ」飾り釘。絵のモチーフはパルメットが多かった
・バビロニアでは色彩よりも彫塑的な陰影をともなう傾向。壁画の凹凸を採用。宗教建築に採用
・壁画のレリーフを無釉薬の焼成レンガに分解

<バビロン イシュタール門>
・彩釉レンガと浮き彫りレンガを融合させた大壁画
・イシュタール(愛と戦いの女神)の名前を冠した市門
・それを貫く「行列道路」の側壁 彩釉浮き彫りレンガはベルリンに
・架空の有角龍ムシュフシュの名があった。バビロニアの最高神マルドゥク。地色を青釉薬で統一してレリーフには白や黄の釉薬を使ってコントラスト。アッシリア由来の白いロゼッタを配した。赤い釉薬も少し
・彩釉レンガをこれほど大胆に使った建築は空前絶後
・前612 年にアッシリア帝国は滅んだ。バビロンもアケメネス朝ペルシアの配下になった。ペルシアのスーサに伝わり精妙なレリーフとなった
・メソポタミアにタイルは採用されなかった
・釉薬に色と輝きを持つ建築装飾はもともと超富裕層のもの。外来王朝時代に釉薬は再度陶器だけのものになった

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(中央アジアの空の青/クズルクム沙漠に点在する古代ホラズム王国の遺跡カラ(都城跡))

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(日本の空と海の青/東京・晴海、湾岸高層ビル群)

青の道、続きます。
by orientlibrary | 2010-11-14 22:46 | 青の道