イスラムアート紀行

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タイル作り。シャーヒズインダの花模様をお手本に

<タイル絵付け>を習い始めたこと、以前ちょこっと書きました。最初の日から、「とにかく、まず一度作ってみたい。それから本格的に始めたい」とワガママをいう私。S先生は寛容な方なので、おっとりと「いいですよ」と言ってくださいました。
ですので、この進み方はイレギュラーなのですが、2回目にして素焼きのタイルへのトレースまで進みました。次回はいよいよ絵付けです。

作っているのは、「ハフトランギ」(虹色タイル=多色施釉タイル)。出来上がり15㎝×15㎝。絵は「ハタイ」と呼ばれる植物模様です。

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(右に見える青い写真がシャーヒズインダの花模様。右上が私のスケッチ。先生が赤で修正中。手前は習っていることのメモ)

宿題でデザインを考えてくるようにとのことで、参考にするためにタイルの写真集を見ていたのですが、どうも適した構図がなく、結局は自分が撮った写真から選びました。
大好きなシャーヒズインダのモザイクタイルです。イキイキとした花模様が大好きなタイルです。
まずは自分で描いてみました。四分割を繰り返してラインを取ると描きやすいことがわかりました。方眼紙を使えばもっとラクだったと、後で気がつきました。

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(ウズベキスタンのモザイクタイル。センター部分が「イスリミ」(抽象化された植物模様)、周辺が「ハタイ」(自然な植物模様)。ハタイから習い始めています)

タイルが大好きで、長い間イスラムのデザインを親しみを持って見てきましたが、自分で描いてみて、「イスラムデザインって、なんて優れたものなんだろう」と感慨新たです。
たぶん、これからますますこの思いは高まっていくと思います。このあたり、またブログでご紹介できればと思います。

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(リシタンの陶芸家A氏による聖者廟の装飾タイル。センターのイスリミがおおらかで好きです。ハタイも勢いがあって広がりと凝縮力を感じます)

持参したスケッチ、教室で先生が修正してくださいます。これがやはりとっても大きいです。全体の配置、ちょっとした線のズレ、花びらの大きさや方向など、なるほど!ドキドキしながら見ていました。
トレースを繰り返しながら微調整を重ね、最終バージョンをタイルにトレースして、下描きは完成。
先生、どうもありがとうございました。次回の絵付けが、とっても楽しみです!

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(トレース終了。次回は絵付け)

「白金陶芸教室」にて。

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話は変わって。

「ザ・コーブ」という映画を見ました。和歌山県大地町のイルカ漁を描いた映画で2009年公開。2010年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞をはじめ多くの賞を受賞しましたが、その製作手法などをめぐって物議をかもしています。
今年4月頃から、「反日」「情報によるテロリズム」などとして、上映中止を求める抗議行動もあり、一時は上映中止の映画館が相次ぎました。

新聞などで読んだ範囲では、隠し撮りなどの手法や一方的なイルカ漁への非難に製作者の傲慢さを感じ、上映中止もやむを得ないのかも、、と思っていました。
でも、一度見てみようか、何が問題かまずは見てみようか、と思いました。
映画の内容や製作経緯、製作者、動向、評価など、とても書ききれません。もしもご興味があれば下記をご参照ください。

wikipedia。概要、製作手法、評価、公開をめぐる動きなど
映画「ザ・コーブ」オフィシャルサイト(イントロダクション)
映画「ザ・コーブ」オフィシャルサイト(トップページから賛否両論コメントへ)
ダイビング関係サイトでの議論(RSS)

◆ wikipediaより一部引用してみます。(ただし真実、正確な事実関係は私には判断しかねます)

「撮影は「捕鯨発祥の地」とされ毎年9月にイルカ漁が開始される和歌山県太地町の漁港を中心として殆どが無許可で行われた。映画は一貫した恣意的な編集により太地町のイルカ漁と日本の水産庁や警察を徹底的に悪魔化して描いているため、太地町は世界中のイルカ好きから「アウシュビッツ」と認識されるようになった。しかし、日本では年間20,000頭のイルカが捕獲されており、太地町のある和歌山県では1,623頭(2007年)であり、太地町だけで行われているわけではない」

「太地町漁協の幹部は「イルカ漁への誤解が広がるのは心配だが、上映される以上は正確な理解を求めていきたい」と複雑な心情。ただ、一部団体による映画館への抗議については「主張が違う。(同じように上映中止を求めてはいても)全く別の立場だ」と述べている。また、別の組合員は「漁協は金もなく人もいないから、映画に反論する手段がない。普段通りに生活しているだけなのに…。太地町は力のある映画や団体に揺さぶられている」とのべた」(出所:産経ニュース)

長くなるので簡潔に書きます。映画に対する私の印象は下記です。
* ドキュメンタリー風に仕上げた商業映画(エンタテイメント)。 構成、映像、表現が巧みで、見る者を飽きさせず強く引きつける(ドキュメントと銘打つのが問題では?)
* 情報過激派。自分の主張のみを正義とする非寛容、幼稚さ。そのためには手段を選ばない傲慢さ
*なぜイルカ漁に反対しているか、の論拠は力が抜ける(いろいろ言っているが、要はイルカが可愛いから、好きだから。水銀問題も無理やりな印象)

見る側に相当のリテラシー(理解能力)が求められると思います。今や、映画を見るのも大変です。
この映画だけでなく、「ドキュメンタリー」とされるものの中に、エンタテイメントとの境界があいまいなものがあるように感じます。
見る側、読む側の嗜好や要求(情報に強い刺激とわかりやすさを同時に求める)ゆえなのでしょうか。

一方で、「上映中止運動」も、過激な思想、行動といえるかもしれません。
むしろ、進化し続ける今どきの情報に心身や頭を慣らし、鍛えていく必要があるように思いました。

「ザ・コーブ」、編集の巧みさ、臨場感、スピード感、、まさにある種「アカデミー賞」なのかも。(ドキュメンタリー部門なのが問題。糾弾される対象は被害者です)。単純好みのアメリカの賞ですね。

そういう意味で、エンディングの曲、気になりました。音楽が好きなので、自分だったら選曲に意図を込めるなあと思うし、五感って大事です。映像を見た最後の音楽って、サブリミナル的にも大きいと思うんです。

エンディングの曲は、デビッド・ボウイの「Heroes 」。
「イルカのように泳げたら」という歌詞はあるけど、こじつけっぽい。製作者が「自分たちはヒーローだ」って言いたいのでは?!本音では?(念のため、デビッド・ボウイの歌詞はもっと深いと思います。)

口直しに ☆ 「Heroes (QUEEN with David bowie)」 ☆ (出だしの音量が大きめなのでご注意を。フレディ・マーキュリー追悼コンサートでクイーンと共演。最初のフレーズで「I wish I could swim. Like the dolphins. Like dolphins can swim」と歌っていますけどね、、)


暑い日々ですが、皆さんお元気で!

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(リシタン茶碗。いつか絵付けの茶碗も作りたいな!)
by orientlibrary | 2010-07-19 23:57 | タイルのデザインと技法